こんにちは。
今回は外国人を雇用する側に知っておいてもらいたい「雇用できる外国人か否かの見分け方」について書いてみたいと思います。
「外国人労働者だけど、日本に無事に入国できているんだから誰でも雇用してOKでしょ!」というわけにはいかないのが難しい所。外見だけ見ても判断できないですしね。ここでも在留資格が関係してきます。
ですが、逆に言えばちゃんと事前に在留資格を確認すれば雇用後に望まぬトラブルも回避することができるので大丈夫です。なるべく簡単にまとめましたのでご参考になれば幸いです。
それではいきましょう。
在留資格別就労制限:令和2年3月1日現在
就労制限 | 在留資格名称 | |
その1 | なし | 永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者 |
その2 | あり | 外交、公用、教授、芸術、宗教、報道、経営・管理、法律・会計業務、医療、研究、教育、介護、高度専門職、企業内勤務、興行、技能、技術・人文知識・国際業務、技能実習、特定技能 |
その3 | 原則不可 | 留学、家族滞在、研修、文化活動、短期滞在 |
その4 | 特殊 | 特定活動(難民申請中など) |
その1 就労制限なし
該当するのは「身分に基づき在留する者」になるので、永住を許可された方や、日本人の配偶者と結婚された方などになります。雇用する側からすると、日本人の雇用とほぼ同じ条件で雇用できるためメリットは大きいと言えます。
ただし「身分に基づき…」とあるように例えば離婚した場合は身分が変ってしまうので変更届が必要になるなど、定期的な確認は必要です。
また永住者は在留期間が無期限であるのに対し、他の在留資格は期限があるのでその点も中が必要です。
その2 就労制限あり
対象の在留資格が多いですね。
これらは就労系ビザと呼ばれているもので外国人の方が就労目的で取得するビザになりますが、種類がたくさんあるということは、それだけ就労するにも制限があるということになります。
例えば「教授」の場合、「日本の大学もしくはこれに準ずる機関又は高等専門学校において研究、研究の指導または教育をする活動」とあるので、「雇用後は取り敢えず飲食店のホールスタッフしてもらおうか」というわけにはいきません。
もしホールスタッフをしてもらうなら、そちらに適した就労ビザに変更する必要があるので、雇用後に定期的な異動を検討している場合も注意が必要になります。
その3 原則就労不可
こちらは比較的わかりやすいのではないでしょうか。
例えば「留学」は大学などの教育機関で学ぶ事を目的としているので原則として就労できません。「短期滞在」も同じですね。こちらは観光やビジネスの出張などが該当しますが、まさか観光に来て仕事する人はいないと思いますが就労はできないことになっています。
しかし。皆さんの周りにも多いと思いますが、最近ではコンビニの店員さんが外国人なんてことをよく見かけませんか?あの店員さんの多くは留学生と言われています。では、彼らはなぜ仕事が出来ているのかというと、「留学」であっても在留資格の変更は行わず「資格外活動許可」を入管に認めてもらうことで週に28時間以内であれば働くことができるようになります。
勉強目的とは言え、母国からの仕送りだけでは生活が苦しかったり、仕事を通じて日本文化に触れるというメリットもあるので(それで語学の上達もできるなら一石二鳥でしょうか)利用している留学生は少なくないかもしれません。この「資格外活動許可」についても取得しているかどうかは在留カード裏面の下の方に記載されているので、雇用する際は確認が必要です。

その4 特殊
こちらは少々特殊なレアケースかもしれません。
一覧表にも書きましたが、例えば難民申請中の滞在は結果が出るまで長期間かかることから、人によって就労が可能になるケースがあります。その他、聞き慣れた言葉で言えばワーキングホリデーとして入国した場合も「特定活動」となります。
いずれにしても人によって状況が異なるため、就労できるかどうかはパスポートに「指定書」として内容が書かれたものが添付されるので、そちらを確認する必要があります。
イメージ図を添付するのでご参考ください。

まとめ
ざっくりとですが、表にまとめてみました。
改めて見ると就労できる在留資格は多いですね。ただ制限があるので「どんな仕事に従事してもらおうか。その為にはそれに対応した在留許可を持っているのだろうか。なければ変更手続きをしないといけないな」など、検討する必要があります。勿論、繰り返しになりますが雇用後に異動などでまったく違う職種になる場合はその都度在留許可申請を提出する必要があります。
在留許可の詳細は出入国管理庁のサイトに公開されているのでご確認頂くか、入管業務を取り扱っている行政書士にお問合せ頂いたほうが安心です。
出入国管理庁URL) https://www.moj.go.jp/isa/applications/status/qaq5.html
上記のいずれの在留資格も持たずに滞在している人がいた場合、それは不法滞在者の可能性があります。分かりやすいのは期限が切れている場合や偽造パスポートですね。
適切な在留許可がない外国人を雇用した場合、強制送還の対象となって突然仕事に穴が出来る場合もあるので雇用する際は事前に在留許可のチェックは入念にする必要があります。
在留許可は多くの種類があってややこしくも見えますが、在留カードにも記載がされているので(一部、指定書)雇用時と、定期的なチェックをしてトラブルを未然に防いでいくことで皆、ハッピーに仕事をしていけたら良いですね。
今回も最後までお読み頂きましてありがとうございました。