2025年に制度が変わる? 外免切替の手続きと今後の注意点

入管業務

こんにちは。

先日、入管業務を中心に行っている団体(僕もセミナーを受講させてもらっています)のイベントに参加させてもらいました。皆さん本当に良い方ばかりでとても楽しい時間を過ごせました。

僕が行政書士を志すきっかけの一つは「外国人が日本で生活するためのお手伝いがしたい」というものでした。以前勤めていた会社でたまたま韓国人の大学生を新卒として迎え入れるという仕事に携わり、技人国ビザを取得したことも大きなきっかけになりました。

その際、彼が国内で営業職として仕事ができるよう様々なサポートをさせて頂き、その一つに免許証の切替を行いました。そう、外免切替というものですね。

最近、良くも悪くもこの外免切替という文字をよく見かけるようになりました。外国人労働者が日本で仕事をするために必要な免許証を所持する事そのものは良いと思いますが、取得方法やその後の利用について様々な問題が起きているのも事実です。

2025年10月時点ではまだ「案」ですが、外免切替について現状と今後について書いてみたいと思います。

増える外国人ドライバー、外免切替制度の役割とは

最近では外国人の方が車を運転している姿を見かける事が多くなってきました。特に人手不足が言われている運送業界などでは貴重な戦力として活躍されている方も多いと思います。

先に挙げた僕が新卒の時にお手伝いした彼も営業職として活躍してもらうためには運転免許証が必要であり、韓国の免許証を持参して外免切替を行いました。

外免切替は簡単に言うと外国人が母国で取得した免許を日本で運転できる免許証に切り替えるというものです。細かい要件は複数ありますがポイントとしては母国で免許を取って3カ月経過しているなどの要件もあります(要は母国で免許とってすぐに日本に来た場合は外免切替はできませんということ)

切替の流れは概ね以下の通りです。

  1. 申請書類をそろえる(外国免許証・日本語翻訳・パスポートなど)
  2. 運転免許センターで受付・書類確認
  3. 適性検査(視力など)
  4. 知識試験(交通ルールの○×形式、10問程度)
  5. 実技試験(車の操作・運転マナーなど)
  6. 合格すれば日本の運転免許証を交付
    ※一部の国(韓国・ドイツ・フランスなど)は④⑤が免除されるので、僕が色々とお世話した韓国人の彼は本当にすんなり外免切替ができました。

外免切替制度はなぜ厳しくなるのか? 背景にある安全と信頼の問題

昨今のニュースで外国人が運転している交通事故がしばしば報道されるようになりました。日本国内に滞在している外国人の数が年々増えていることから、外国人が関係している交通事故件数が増加傾向にあるのは、ある種自然な動きかもしれませんが、だからといって「仕方ないよね」で済ませるわけにもいかず、様々な意見が出ているのも事実です。

勿論、外国人だからといって皆が皆めちゃくちゃな運転をしているわけではなく、きちんと交通ルールを守って運転している方がほとんどだと思います。ただ一方で僕自身も実際目にしましたが朝の車通勤時によく見かけていた車の間を縫うように追い越しばかりをする車を運転していた方も残念ながら外国人の方でした。

僕自身は日本人として日本国内の自動車教習所に通って免許を取得・所持しているので外免切替を行ったことは勿論ないのですが、やはり外国人の運転について様々な意見が出るのは外免切替の制度や他にも多くの課題を含んでいると容易に推測できます。

先の韓国人の彼は温和な性格で日本語も堪能で日本文化もよく勉強されていたので免許の切替や運転には大きな問題はないだろうなと思ってはいましたが、取得後は会社負担で自動車教習所に練習する機会が与えられました。しかしながら外免切替を行っている際、待合室で待っていた僕はあっという間に検査?から戻ってきた彼の姿に「早いな!もう終わりか」と感じたのも事実です。

後述しますが外免切替は少々簡単すぎるのでは?という意見も出ていますし、例えば日本国内では「事故を起こした場合は必ず警察へ報告する」という事が常識ではありますが、外国の場合は必ずしも同じとは限らないでしょうし、真偽は不明ですが国によっては「車のバンパーは他車に当てるためにある」といって、駐車の際にわざと車をぶつけて動かすといったことも聞いたことがあります。外免切替だけではこういったことまでは中々理解されていないのも様々な意見が出てくる一つの原因ではないかと思っています。

変わる外免切替制度――2025年以降の厳格化と今後のポイント

現時点で外免切替の厳格化としてが出ているのは主に以下の通りです。

〇短期滞在者の対象除外
→観光客など短期滞在者を原則として外免切替の対象外とする案。ホテル住所のみで申請できないようにする。

〇住民票の写し提出を義務化
→申請時に住民票を原則として提出させる案。住所確認を厳格化。

〇知識試験の難化
→従来の10問程度の○×問題に加えて、問題数の増加や難易度向上

〇技能試験の強化
→日本の運転環境に適応できるかを厳しく見るため、実技試験を強化する案。

〇その他
→外交官・在日米軍関係者などの特例をどう扱うか

パッと見ただけでも「ホテル滞在」で免許が取れてしまうのは問題ですよね。。この辺りはきちんと「日本に住んでいる」という証明書を所持した人に限定してほしいものです。また先の韓国人の彼のように実技試験は運転する人にとっても安心できるんじゃないでしょうか。国によっては右側通行や左ハンドルが当たり前というケースもあるでしょうし、日本の道路にあった練習は運転する側も、周囲の方にとってもお互いメリットがあると思います。

あとは試験も厳格化が必要ですよね。日本での運転免許証を取得する際に受験する学科試験。あれ意外と難しいですよね?人によっては何度も受ける人もいると思います。また道路標識も非常に多数あります。中には山間部や特殊な地域にしか存在しないような標識もあるので全てを把握するのは難いところはありますが、その為もあってかパッと見ただけでイメージできる標識もあります(動物注意とか。あまり都市部では見かけない標識ですが「動物が出てくるかも」という注意意識は出ますよね)

とは言え、車を運転するのは人に危害を与える可能性を常に持つことにもなるので、今以上にしっかり勉強することが必要でしょう。

今後、どのような法改正が出るのは現在議論が続いていますが、「人手不足」を補う貴重な戦力とは言え、やはり安全運転が外国人の方は勿論、我々日本人にも求められている事ではないかと思います。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

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