こんにちは。
今回は障害者総合支援法の保護対象が難病の方も対象になるなど、対象者が拡充していることについて記事を書きたいと思います。
障害のある方への支援を目的とする「障害者総合支援法」。
2013年に施行されて以降、様々な変遷を経てより良いものに進化してきました。そしてこの法律の大きな転機のひとつが、「難病患者」への支援対象の拡充です。これにより、医療的な支援のみならず、日常生活や就労支援など、より包括的なサポートが可能となりました。
実は僕自身も難病と指定されている病気を2つ抱えており(うち1つは角膜でしたが、移植したので対象ではなくなりました。ただしこの疾病は難病指定ではなく、あくまで「研究奨励分野」という対象に挙がっているだけなので、厳密には難病に指定されているわけではありませんでした)、対象者となるので非常に興味を寄せていました。
「日々の生活全般の手助けが欲しい」というわけではありませんが、「何か困った時には助けて欲しい」というのが当事者としての本音です。
とは言え、僕自身の難病は症状が軽度の為、支援制度を受けるまでではないのですが、「万一の時は助けてもらえるかもしれない」という安心感があるとやはり日々の生活を送る上での精神的にも気持ちが楽です。
そもそも難病とは何か?
「難病」とは、原因が明らかでなく、治療方法が確立しておらず、長期の療養が必要とされる病気のことです。多くは慢性的な経過をたどり、発症頻度も少ないため、従来は公的な支援の対象となりにくい状況がありました。
一覧は以下に公開されています。
https://www.nanbyou.or.jp/entry/5461#aa
代表的な難病には、ALS(筋萎縮性側索硬化症)、パーキンソン病、潰瘍性大腸炎、全身性エリテマトーデスなどがあり、進行性であったり、見た目からは障害が分かりにくかったりすることも多いため、社会的理解や制度的支援が追いつかないという課題もありました。
ちなみに僕が患っている難病は潰瘍性大腸炎です。この病気は安部元総理大臣が病気の悪化を理由に一度は総理を辞任するまでに至ったということで一時はニュースでも頻繁に取り上げられたため、ご存知の方もおられると思います。
潰瘍性大腸炎はすぐにお腹をくだすし、トイレが近いです。幸いにも症状は軽度なので生活に大きな支障はありませんが、特に外で食事をした後などはトイレが近くにない場所に長時間いると不安になってくるなど、他の人にはなかなか理解してもらえないような生活をしています。
もうある程度慣れましたけどね。
法改正により何が変わったのか?
2013年の障害者総合支援法の施行当初から、難病患者も一定の条件下で支援の対象とされてきましたが、2014年、2018年と段階的に対象疾患が拡大され、現在では【指定難病】に該当する疾患を中心に、多くの難病が正式に支援の枠組みに組み込まれるようになりました。
これにより、難病患者の方々は、訪問介護や就労移行支援、生活介護など、従来は「障害者手帳」を所持している人のみが利用できたサービスにアクセスできるようになりました。
たとえば、難病により日常生活が困難になった方が、訪問介護を受けられるようになったり、就労支援事業所で自分に合った仕事の訓練を受けられたりするようになったのは有難いですね。先述の通り僕は潰瘍性大腸炎とはいえ軽度なので、今のところ福祉サービスのお世話になることはありませんが、軽度の難病指定とはいえ万一の時は助けてもらえるという気持ちがあると日々の生活も安心できます。
社会に広がる支援の輪
制度の拡充は、行政の取り組みだけではありません。地域の福祉事業者や支援団体も、難病患者への理解と支援体制の整備を進めています。ヘルパーや支援員が難病の症状に対する知識を持ち、適切な対応を学ぶことで、サービスの質も向上しています。
また、本人や家族が孤立しないよう、ピアサポート(当事者同士の支え合い)や相談支援体制の充実も進められています。制度の恩恵を受けるためには、適切な情報を知り、申請することが重要であるため、自治体や支援団体による啓発活動も今後ますます重要になるでしょう。
まとめ
障害者総合支援法の対象が難病にまで広がったことは、日本の福祉制度にとって大きな前進です。病気の種類や見た目の障害の有無にかかわらず、「生きづらさ」や「困りごと」を感じるすべての人に支援が届く社会へと、一歩ずつ近づいています。
特に難病の場合は、ぱっと見は健常者と変わらないように見えるので、なかなか理解がされません。
実際、僕自身トイレの回数が多いのは普段からそのような生活をしているので、自分は特に何も感じていなくても、周りの人からすれば「またトイレに行ってさぼっている」と思われることも実際ありました。
会社で仕事していた時も「席を外す回数が多い」と言われたことがありました。指摘されても「軽度ですが潰瘍性大腸炎なのでどうしてもトイレが近い云々…」というのは言い訳のように捉えられそうだったので結局のところ「すみません」と謝るだけにしましたが、「じゃ、トイレに行く回数を我慢しないといけないのか」と悲しい気持ちになったのは事実です。
あとは小さなことかもしれませんがトイレが近いとトイレットペーパーの消費も一般の方よりは多いので、そういった点でもコストがかかる生活を送っていると言えるかもしれないですよね。
障害福祉に関しては年々国家予算も増えており、令和5年には2兆円を超えています。それだけ支援対象になる人が増えていることもあり、今まで救われなかった方が対象になってきています。これは単純に良い傾向だと思います。
しかし比例して制度が拡充したり複雑にもなってきていることも否めないので、今後も難しい言葉は使わず適時ご紹介していこうと思っています。
今回も最後までお読み頂きましてありがとうございました。